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令和7年度の事業の概要
わが国の経済は、住宅投資など一部に弱めの動きもみられるものの緩やかに回復しており、先行きについても、政府の経済対策や緩和的な金融環境にも支えられて、緩やかな成長を続けるとみられるが、ガソリン価格の上昇など中東情勢の緊迫化による経済的悪影響が表れており、予断を許さない局面にある。
金融面については、日銀が政策金利を30年ぶりの水準に引き上げ、長期金利も上昇基調となるなか、中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりで、国内外の経済・金融市場の不確実性が一層高まっている。また、根強い為替円安による影響や原油価格の高騰が長期化すれば、基調的な物価上昇率が高まる可能性があり、政府・日銀はインフレ対策も含め難しい舵取りを求められている。今後の金融政策においては、中立金利の水準を探りながら、物価安定の実現を目指した政策運営を行っていくとしている。
農政については、令和6年6月に食料安全保障の確立、環境と調和のとれた食料システムの確立を新たな柱とした「食料・農業・農村基本法」が改正されたことを機に、農業の持続的な発展を目指しているほか、生産性の向上と農業所得の増加(農工間の所得格差是正)、認定農業者・担い手の育成、スマート農業の推進、農産物の輸出拡大や価格転嫁の推進など、多岐にわたる施策が進められた。
県下の農業については、令和6年度の農業産出額が1,498億円となり、前年と比べ、主に米、野菜の価格が上昇したことから、156億円(11.6%)増加したものの、農業経営体数の減少、農業就業人口の高齢化の進行、担い手の減少等、課題は多い。県と県内農業団体で設置した大分県農業総合戦略会議の運営は中央会に引き継がれ、令和7年から同9年を行動期間とする「農業システム発展に向けた行動戦略」に基づき、「担い手育成」「産地育成」「収益力強化」「営農指導強化」の4つを柱に、関係者が一体となり実行性のある取組みを目指して進めており、引き続き当会においても、農業関連融資に対してJAグループ独自の利子補給・保証料助成による支援を行ってきた。
このような情勢のなか、当会は、経営3ヵ年計画ならびにJAバンク大分中期戦略の初年度にあたり、「農業・くらし・地域」の多様なニーズに対して、総合事業性を活かした金融仲介機能を発揮し、JAに愛着・信頼を感じる組合員・利用者を増やしていく姿を目指し、具体的な取組みを実践した。
また、JAバンクの一員として、基本的使命と社会的責任を果たすため、JAバンク基本方針に基づいた内部管理態勢のより一層の強化・健全性確保を図り、併せて、コンプライアンス基本方針の遵守とリスク管理の徹底及び収益基盤の拡充強化と経営の合理化・効率化に努めた。
JAバンク大分中期戦略の取組状況
令和7年度は、新たな中期戦略の開始年度であり、引き続き、農業・くらし・地域の多様なニーズに応えるため、総合事業性を活かした金融仲介機能を発揮し、信頼と期待に応え続けていくためにJAバンク大分は、リアルとデジタルを融合させた利用者との接点を構築し、今まで以上に組合員や利用者の視点に立ったサービスや体験の提供に努めました。
1.「農業」領域における取組み
➀ 経営課題を可視化し、ニーズの発掘と深堀りを徹底
② 営農経済事業等と連携したワンストップかつ高度なソリューションの提供
③ 生産部会等の接点を活かした営農経済事業等と連携した情報提供
④ 組合員の資産状況を可視化し、ニーズの発掘と深堀りを徹底
2.「くらし」領域における取組み
➀ 相続相談態勢の強化による顧客のニーズを把握・適切なサービスの提供
② 県下統一の各種キャンペーンの展開やJAバンクアプリの利用による新規顧客の獲得・既存顧客との取引深化
③ 商品性の改善や競争力のある金利設定によるローン顧客の獲得
3.「地域」領域における取組み
➀ 年金友の会会員様との相互親睦と融和ならびにスポーツ大会の開催
② 県内の小学校への食農教育に役立つ教材本の贈呈
4.業務効率化にかかる取組み
➀ 法人ネットバンクやQR伝票の導入による顧客サービスの提供
最近の5事業年度の主要な経営指標
(単位 : 百万円、口、人、%)
(注)「単体自己資本比率」は、「農業協同組合等がその経営の健全性を判断するための基準」(平成18年金融庁・農林水産省告示第2号)に基づき算出しております。
貯金
県下JA、連合会及び地方公共団体・個人・法人より資金調達に努めた結果、貯金残高は、当期首比282億円減少し4,078億円になりました。
貸出金
農業専門金融機関、地域金融機関として農業・系統関連企業・地場優良企業・地方公共団体等の貸出に努めた結果、貸出金残高は、当期首比27億円減少し772億円になりました。
有価証券
米国の関税政策や高市政権の積極財政による金利上昇や為替の円安基調が進み、更には中東情勢悪化による原油価格の高騰などインフレが意識される運用環境となる中、各国の財政・金融政策や市場動向等を注視し、期間収益の確保及びポートフォリオの改善に努めた結果、有価証券残高は、当期首比57億円減少し1,115億円になりました。
損益の状況
当年度の経常収益は、前期比4.2%増加しました。
また、当期剰余金は494百万円で、当期未処分剰余金は1,448百万円となりました。